現在そして将来のために、HR デジタル トランスフォーメーションがもたらすビジネス バリューを最大限に高める
Gartner 社は、2025 年までに世界の企業の半数が人財管理業務とタレント マネジメントにおいてクラウド型の人財管理スイートの導入に投資し、20 パーセントの企業が人事のイノベーションを実行に移すことになると述べています。今回は、こうした変化を推進する要因をご紹介します。
Gartner 社は、2025 年までに世界の企業の半数が人財管理業務とタレント マネジメントにおいてクラウド型の人財管理スイートの導入に投資し、20 パーセントの企業が人事のイノベーションを実行に移すことになると述べています。今回は、こうした変化を推進する要因をご紹介します。
今日のデジタルテクノロジーによる創造的破壊,いわゆるデジタルディスラプションが席巻するビジネス環境において、機敏に動けるアジャイル型の組織が競合他社をはるかに凌ぐ勢いで成長しています。絶え間ない変化に対応するのは難しいことですが、Workday の最高財務責任者 (CFO) の Robynne Sisco は次のように述べています。「変化への適応力と対応力 (それが、マインドセットでも、プランの立て方でも、使用するテクノロジーでも) を備えれば、社員および企業はどのようなゴールを目指すにせよ適切に対処していくことができるようになります」
一歩先のことを考える HR のリーダーたちも同じ意見です。Gartner 社の最新のリサーチ『2019~2021 ヒューマン キャピタル マネジメント(HCM)テクノロジーに対する投資のための戦略的ロードマップ』¹ では、「2025 年までに、世界の中規模および大規模組織の半数が、人事管理業務とタレント マネジメントにおいてクラウド型の人財管理(HCM)スイートの導入に対価を支払う、つまり投資することになる」と述べられています。
なぜ企業はこのような投資を行うのでしょうか。このレポートによれば、クラウドの HCM テクノロジーを導入すれば、人事部門のアジャイル化が進み、機敏に動けるようになります。求められるスキルの変化、人財獲得が厳しい状況での新規採用と今いる従業員の離職防止、従業員の数や男女比、正社員の割合といったワークフォースの要素の変動、さらなる多様化を全社で進める必要性、といったさまざまな課題に対処するため、人事部門は今まで以上にアジャイル化を進める必要があります。別の言い方をすれば、機動力のあるアジャイル型の組織を実現するためには、人事部門自体がアジャイル化を進めなくてはならないということです。
トランスフォーメーションを成功させるには、デジタル ソリューションがもたらすビジネス バリューを完全に理解することも含め、会社の現状と今後の見通しを十分に検討することが決め手となります。Gartner 社のレポートによれば、今後は「HCM ではアジャイルなマインドセットが欠かせません。このマインドセットの醸成は人事部が主導していくのですが、全社を巻き込んで試行錯誤しながら推進していかなくてはなりません」HR デジタル トランスフォーメーション成功の決め手は、組織を変革していこうとする意欲、人事部門と IT 部門の連携、そして職場環境のデジタル化いわゆるデジタル ワークプレイスを実現するための戦略的ロードマップです。
人力资源デジタルトランスフォーメーションは仕事のプロセスを見直し,再設計するだけの話ではありません。「組織は、進化する作業環境、より柔軟さが求められる勤務形態、改定される規制の数々、厳しさを増す労働市場といった動向に対応していく必要があります」とレポートでは説明しています。「こうした複数の動向に同時に対応しようとすると、既存の組織構造、プロセス、そして今までは画期的と思われていたテクノロジーの見直しを迫られることになります。これは思った以上に大ごとで、気力が削がれ、あきらめざるを得ないぐらい複雑なものになるかもしれません」
新しいテクノロジーを導入するときに多くの組織が陥りやすい誤りは、HR トランスフォーメーションの実現を目指すのではなく、今までやってきたプロセスをそのまま新しいシステムで実行しようとすることです。「急激に変化している今日のビジネス情勢には気を緩めている暇はありません」と Javier Delgado 氏は述べています。彼は、財務管理、人事、プロフェッショナル サービス オートメーションをひとつにまとめたシステムを導入したプロフェッショナル サービス企業である Business Network Builders 社の執行取締役です。「上昇する成長曲線を描き続けるためには、最新のクラウド サービスを使用して自社のビジネスを改革し、さらなるアジャイル化を推進し、クライアント サービスの品質を維持して、イノベーションを進めていく必要がありました」
HCM テクノロジーの導入が成功するかどうかは、人事部門が幅広い視野を持ち、組織の再設計を支える変革を起こせる力があるかどうかに左右されます。レポートでは、以下のような変革をあげています。
組織の再設計においては、人事部門のみを重要視しているわけではありません。前述のレポートで述べられているとおり、人事部門が主導する必要はありますが、他の部門、特に IT 部門と一体となって進める必要があります。
Deloitte Insights のグローバル ヒューマン キャピタル トレンドに関する記事(2018 年)は、上級幹部は分断された環境ではその役割を果たすことができないという Gartner 社の所見と同様なことを述べています。「上級幹部たちは、各自の職務上の役割の範囲を超えて、ひとつのチームとして機能する必要があることに気付きました。この新しい構図では、経営幹部は事業部門と職務的責任とを、部門の壁を超えたチーム編成と組み合わせ、組織を機動力のあるネットワークとして運営することになります」
ケンブリッジ大学出版局 People 部門ディレクターの Cathy Armor 氏は、自身の組織での HCM ソリューションの導入に尽力しました。その経験は Gartner 社や Deloitte 社の調査結果を立証するものです。「私たちが実施した中で最も成果を挙げたことのひとつが、IT、人事、法務、給与計算、プロジェクト管理の各部門のメンバーから成る部門横断型のプロジェクト チームを構築したことです」と彼女は述べています。「そのためには、それぞれの部門のステークホルダーを一堂に集めて、このプロジェクトを推進する立場にある人たちから全面的な賛同を得ておくことが必要です」
デジタル ディスラプションは、あらゆる業界と組織の役割や機能に影響します。人事も例外ではありません。HCM テクノロジーの導入を検討するときは、短期的および長期的の両方の観点から、それが成長し続けることのできるアジリティを備えたテクノロジーであるかを検討する必要があります。
プロフェッショナル サービス企業の Booz Allen Hamilton 社が HCM ソリューションを導入した際、人財サービス担当部長の Sarah St. Clair 氏は、変革は一夜にして成し遂げられないことを理解していました。「それは、絶え間ないそして進化が求められる取り組みなのです」と彼女は述べています。「テクノロジーは常に変化しています。私たちはリーダーとして、組織のビジネス目標と文化を完全に理解する必要があります。そして新しいテクノロジーを最大限に活用できるようなペースで順に導入し、社員がそのテクノロジーを完全に活用できるようにしなければなりません」
HCM テクノロジーに関して、Gartner 社は次のように述べています。「多くの組織では、組織の核となる人財管理とタレント マネジメントを、オンプレミスのソリューションからクラウド アプリケーションに移行しているところです」組織はその戦略的ロードマップをよく検討し、「全体的な HCM アプリケーションの現状を見直して、今後必要となる変革に対して入念な計画を立てる」必要があります。以下のような項目について検討してみましょう。
Gartner 社のレポートによれば、2025 年までに「海外も含め社員が 5 千人を超える企業の 20 パーセントは、実験を常に行ったり、新しいテクノロジーの試験運用を支障なくできる環境を整えるという人事のイノベーションを実現している」と考えられます。残りの 80 パーセントの企業が将来のデジタル ワークプレイスに対してどのように準備をしているかは不明ですが、前述のような重要な項目について熟慮し、変化に対応する準備を整えていかなければ、取り残されてしまう恐れがあります。
¹Gartner 社『2019~2021 ヒューマン キャピタル マネジメント(HCM)テクノロジーに対する投資のための戦略的ロードマップ』、Ron Hanscome、Helen Poitevin、John Kostoulas 共著、2018 年 7 月 30 日
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