Ralph Lauren 社: 調達を加速させる 3 つの方法
Ralph Lauren 社のグローバル ソーシング リーダーが、Workday のデジタル イベント「Conversations for a Changing World」でパフォーマンスの高い調達を推進するためのインサイトとベストプラクティスについて語りました。
Ralph Lauren 社のグローバル ソーシング リーダーが、Workday のデジタル イベント「Conversations for a Changing World」でパフォーマンスの高い調達を推進するためのインサイトとベストプラクティスについて語りました。
業界をリードする高級ブランドである Ralph Lauren 社のミッションは、ブランドの信頼性と時代を超越したスタイルを通じて、顧客のより良い生活を求める気持ちを呼び起こすことです。60 億ドル以上の収益を支える Ralph Lauren 社の調達チームは、600 以上の事業地で一貫した複数のブランドの存在感を示すという責任を担っています。高い需要に対応するために、チームはサプライヤ、契約、進行中のリクエストを完全に把握する必要があります。
Workday のConversations for a Changing Worldで、Ralph Lauren 社のグローバル調達リーダーである Juan Ahmad 氏が Fortune 500 企業のワールド クラスの調達組織の動かし方について語った知見をご紹介します。
「調達に関わるべきときがあるとすれば、今がそのときです」
Juan Ahmad 氏ストラテジック ソーシング担当シニア ディレクターRalph Lauren 社
10 億ドル以上の間接支出を管理している Ahmad 氏とそのチームは、マーケティング、IT、人事などの部門の戦略的な意思決定をサポートしています。しかし、そのような決定権のある地位は一夜にして確立されたわけではありません。チームは、調達部門の変革の準備に 4 年近い歳月を費やしました。その努力の成果が実を結んだのは、パンデミック当初の不安定な時期でした。
Deloitte 社が最高調達責任者 (CPO) を対象に最近実施した調査によると、調達部門は広範な変革の対象になっています。CPO は、サプライチェーンと労働力の混乱をきっかけに、調達部門の能力を引き上げるための取り組みの一環として、優先事項の再評価を進めています。Deloitte 社の報告によると、調査対象の CPO の 78% が、業務効率を高めることが最優先事項であると回答しています。その一方で、82% の回答者がリスクの軽減とコンプライアンスの確保に業務時間の最大 20% を費やしています。また、興味深いことに、業績の良い調達組織の 70% が、業績の悪い調達組織よりも戦略的な意思決定に関与していることが明らかとなりました。
Ralph Lauren 社の調達部門の場合、パフォーマンスの高い調達組織を築くためには、少ないリソースでより大きな影響を与えられるようにチームをテクノロジーで強化する必要がありました。Ahmad 氏は Conversations for a Changing World で、ビジネスの価値を高める主な 3 つのベストプラクティスについて話してくれました。
多くの小売企業と同様に、Ralph Lauren 社もコロナ禍において供給不足、バリュー チェーンの混乱、現地の法規制に伴う広範囲の店舗閉鎖に対処しました。しかし、外出を自粛する消費者が増えるにしたがい、2020 年の支出は大幅に落ち込みました。これにより予算が圧迫され、チームにとっては混乱の中でも需要な目標を引き続き達成するためのクリエイティブなソリューションを見い出すことが必須となりました。このセッションで Ahmad 氏は調達リーダーに対し、支持を取り付け、ソーシングを成功させるため、目標をビジネス戦略にしっかり合わせるようアドバイスしました。
Ahmad 氏はプロセスを合理化するために、データ入力やレポート作成などの手動タスクを自動化するテクノロジーに投資し、チームが事業継続計画やコスト削減などのより戦略的な取り組みに取り組む時間を取り戻せるようにしました。もう 1 つの主な目的は、契約上の義務と今後の更新の全体像を把握することによって支出をより積極的に管理することでした。最後に Ahmad 氏は、コラボレーションを単一のシステム オブ レコードに一元化することによってチームと足並みをそろえられるようにしました。
「当社の企業としての、そして調達チームとしての変革の最も重要な側面の 1 つはデジタル主導を推進したことです」
戦略的エンタープライズ プランニングにおいてリスク管理が果たす役割の重要性はますます高まっています。Harvard Business Review Analytic Services が Workday の後援を受けて最近実施した「調達リスクの管理」調査によると、95% の企業がパンデミックによって何らかのサプライチェーンの混乱を経験しています。Ralph Lauren 社も例外ではありませんでした。Ahmad 氏にとってサプライチェーンの安定性を保つことは、労働力と資材が不足する中で最優先事項でした。リスクを管理するだけでは不十分だったのです。Ahmad 氏とそのチームは、潜在的なリスクを予測し、そのリスクが業務に混乱を生じさせる前に解決するための方法を必要としていました。
その解決策となったのが、戦略的サプライヤとの強力なパートナーシップの構築です。2020 年よりずっと前に、Ahmad 氏とそのチームはベンダーとの関係構築に非常に多くの時間を費やしていました。パンデミックによって生じた混乱の中、Ahmad 氏が調達業務を安定させ、ビジネスを前進させ続けることができたのは、この強力な関係のおかげでした。このようなパートナーシップを構築するために、Ahmad 氏はサプライヤとオープンなコミュニケーションを取り続けることを提案しています。パートナーと早期かつ頻繁にコラボレーションすることで、調達リーダーは潜在的な混乱に前もって備えることができます。
調達部門の役割は間違いなく進化しています。チームは企業の戦略的アドバイザーとして踏み込み、その役割を果たせるよう備える必要があります。Ralph Lauren 社の調達部門の場合、運用モデルにおけるこの変化は「ボトムアップとトップダウンの両方」から行われる必要があったと Ahmad 氏は述べています。ステークホルダーと緊密に連携して調達部門の価値を証明することが、発言権を得るための最初の重要なステップでした。
「成功を積み重ねてチームの価値を実証しましょう。ときには小さなことからスタートして自分の立場を固めて信頼を築き、そこから成長してより戦略的なプロジェクトに取り組むことが必要になる場合があります」
調達部門のビジョン、目標、目的をステークホルダーにはっきりと伝えることも重要であると Ahmad 氏は言います。チームの価値を実証するとともに、ステークホルダーがビジネスニーズを満たすためにどのように支援できるかを説明できれば、強固な信頼基盤を築き、戦略的パートナーシップを育てることができます。
Ralph Lauren 社の調達部門での変革について詳しくは、Conversations for a Changing World で行われたJuan Ahmad 氏のセッションの全容をご覧ください。
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