基本を理解する:社員エンゲージメントとは何か
人事分野において「社員エンゲージメント」という用語はよく知られていますが、実際にはどういう意味を持つ言葉なのでしょうか。この記事では、社員エンゲージメントとエンプロイー エクスペリエンスとの関係や、リーダーがエンゲージメントを測定する方法など、いくつかの要点について説明します。
人事分野において「社員エンゲージメント」という用語はよく知られていますが、実際にはどういう意味を持つ言葉なのでしょうか。この記事では、社員エンゲージメントとエンプロイー エクスペリエンスとの関係や、リーダーがエンゲージメントを測定する方法など、いくつかの要点について説明します。
職場以外の場所で「エンゲージメント」という用語を使用する場合、「熱心な取り組み」や「善意の取り組み」などの意味で使用されるのが一般的です。私たちは趣味に情熱を注いだり、友人や家族やパートナーに対して強いつながりを感じたりします。最も実りがあり、生産的なケースにおいて、エンゲージメントとは二面的な側面を持ちます。社員エンゲージメントについても同じです。
社員は、自分が職場や組織全体に積極的に関与していることを感じたいと考えています。各社員が自分の能力を最大限に発揮するためには、会社としての経済的な目標と社会的な目標が正しい方向に向かっていて、そうした目標達成のためには自分の貢献が不可欠であると社員一人ひとりが確信できるような環境が必要になります。各社員が、「自分の仕事が認められ、評価されている」と感じることができる環境が必要です。
働き方が多様化している現在では,会社として社員に積極的に関わっていくことが新たな意義を持つようになっています。2021 年 8 月に Workday が作成した『組織の大再生: 形勢を一変させて社員の離職を防ぐ』というレポートでは、27% の社員のエンゲージメント スコアが離職の危険性を示していることがわかりました。対面で交流する機会が減っている現在では、組織の大再生による影響がさまざまな業界で発生していますが、社員エンゲージメントを新しい視点から検討することにより、分散した職場環境がもたらす問題を解決することができます。
Workday は、社員エンゲージメントを優先させることが、今後の生産性を高めるチャンスになると考えています。この記事では、社員エンゲージメントの概要について紹介します。社員エンゲージメントとその他の概念 (エンプロイー エクスペリエンスや社員満足度など) との違い、社員エンゲージメントを高めることによって得られるビジネス上の主なメリット、社員の感情を記録・測定するための会社独自のロードマップを作成する方法について説明します。
社員エンゲージメントの向上に取り組む前に、「社員エンゲージメントとは何か」という問いに対する明確な答えを会社全体で共有する必要があります。
簡単に言えば、社員エンゲージメントとは、社員が自分の業務、同僚、組織としてのビジネスにどの程度関与していると感じているかを指します。エンゲージメントとは、社員の会社生活における特定の側面だけを指すものではなく、社員の採用から業務で使用するソフトウェア、給湯室に置くお菓子にいたるまで、業務に関する全体的な環境を指すものです。
Workday が作成した最新のレポートでは、27% の社員のエンゲージメント スコアが離職の危険性を示していることがわかりました。
意欲的な社員は、高いレベルのコミットメントを示し、自分の仕事に全力で取り組み、要求以上の仕事をこなすことが少なくありません。こうした社員は、自分のスキルを効果的に発揮して成長できる分野を判断し、自分の仕事に誇りを持ちながら、外部の人たちに自社のビジネスを展開していきます。また、裁量労働制 (自分の判断で業務量を決める制度) で仕事をする場合は、義務感からではなく、もっと会社に貢献したいという純粋な気持ちから業務に取り組みます。
それとは対照的に、意欲を失っている社員は、自分に求められる最低限の結果を超えることはほとんどなく、最低限の結果さえ達成できないことも少なくありません。自分の業務をこなすだけで、会社としてのビジネスや企業文化により貢献するための手段を探そうとはしません。こうした社員は、組織における自分の将来が見えないため、現状維持で満足してしまうのです。Workday が作成した『社員の期待レポート (2021 年)』では、会社に留まる社員のエンゲージメント スコアは、退職する社員の平均スコアより 13% 高いという結果になりました。
多くの場合、社員エンゲージメントの検討は広い観点から行われ、会社全体の平均的な社員感情を評価します。社員エンゲージメントを詳細に検討する場合は、年功序列、部門、チーム リーダーなどの要素が社員エンゲージメントにどのように影響するかについて、複数の分野にまたがる分析が必要になります。そこから社員エンゲージメントの促進要因を把握し、改善が必要な箇所を特定できるようになります。
社員エンゲージメントについて検討する場合は通常、エンプロイー エクスペリエンス全体の枠組みの中で行います。エンプロイー エクスペリエンスは多くの場合、「各社員が入社してから退職するまでの過程」として定義されますが、社員エンゲージメントは、「その過程の質」として考えることができます。ポジティブなエンプロイー エクスペリエンスは、社員エンゲージメントの平均レベルを上げるための基盤ですが、エンゲージメントを高めるためには、その会社独自の検討と解決策が必要になります。
社員エンゲージメントとエンプロイー エクスペリエンスにはある程度重なる部分があるため、企業文化について議論する際に同じ意味で使用される場合がありますが、これらは概念的に異なる用語です。この 2 つは似ていることもあって混同されやすいため、エンプロイー エクスペリエンスの頭文字をとって「EX」、社員エンゲージメントの頭文字をとって「EE」と表記されることがあります。
社員エンゲージメントとエンプロイー エクスペリエンスは、「社員への価値提案」という広い視野で考えると理解しやすくなります。この価値提案は、社員に対する会社からの約束事です。具体的には、社員の献身的な取り組みの対価として独自に提供される各種の利益であり、職場経験だけでなく、社外でのブランド認知や企業としての倫理的行動にも及ぶものです。
この理論的な枠組みは、社員の感情、社員の発言、社員の行動 (およびその理由) を対象とするだけではありません。社員と会社との関係を、単に労働条件とエンゲージメントの成果に基づく関係としてではなく、「パートナーシップ」という双方向の関係として位置付けます。社員と会社との関係をより複雑な観点から考えることにより、社員エンゲージメントとエンプロイー エクスペリエンスの両方において、長期的な利益を得ることができるようになります。
「社員エンゲージメント」と「社員満足度」も似たような用語であるため、混乱が生じる場合があります。社員エンゲージメントと社員満足度は異なる分野の用語としてよく扱われますが、実際には概念的に大きく重なり合っています。社員満足度は、社員エンゲージメントの感情的な要素として考えると理解しやすくなります。
社員満足度とは、簡単に言えば、社員が自分の会社生活全体にどれだけ満足しているかということです。社員エンゲージメントは、社員と会社との間の感情的なコミットメントを表すため (多くの場合、観察可能な行動によって測定されます)、満足度の高い社員は、エンゲージメントも高くなります。
エンゲージメントよりも満足度が高くなる場合もありますが (職場における社会的なつながりは強いが、自分の仕事が会社全体の戦略からは切り離されていると感じている社員など)、通常は満足度とエンゲージメントには高い相関関係があります。社員満足度は、社員エンゲージメントと同様に、職場の人間関係、報酬体系、成長の機会、全体的な仕事量などの要素を含め、社員と会社との全体的な関係に基づいて決まります。
社員満足度と社員エンゲージメントの両方が高い状態にあることが理想的であるのは言うまでもありません。満足度の高い社員は、負荷の少ない仕事量や会社の福利厚生に満足するかもしれませんが、満足度とエンゲージメントの両方が高い社員は、高い倫理観と勤労意欲を持って会社の業務に取り組みます。社員エンゲージメントの調査の一環として社員満足度を測定することにより、会社や企業文化に対して前向きな感情を持っている社員を支援することができます。
「社員エンゲージメント」に関連して「社員の声」という用語を聞いたことがあるかもしれません (Workday の場合)。この場合の「社員の声」とは、社員がチーム メンバーやビジネスリーダーとのコミュニケーションをとったり、組織全体でコミュニケーションをとったりする場合の手段のことを指します。社員エンゲージメントを高めるには、社員が自分自身を表現できる環境を整えることが重要です。社員が意見を述べる機会が多くなるほど、社員のエンゲージメントが高くなる傾向があります。特に、自身の見解に基づいてアクションを起こした場合にエンゲージメントが高くなります。
職場のコミュニケーションの改善は、社員エンゲージメントの向上にとって非常に重要です。社員の声は、対面形式でのコミュケーション (社内会議や 1 対 1 の面接など) と、デジタル的な手段によるコミュニケーション (インスタント メッセージ プラットフォーム、電子メール、退職者調査など) が対象になります。では、社員エンゲージメントのデータを取得するための最も効果的な方法は何でしょうか。それは、非公開の意識調査です。
この記事の冒頭で述べたように、「お互いを思いやる」ことが高い社員エンゲージメントにつながります。社員が、「意思決定プロセスには自分の存在が不可欠だ」と感じるためには、チーム レベルと会社レベルの両方で社員が自分の意見や経験を述べ、その結果取られたアクションを確認できる必要があります。プラットフォームを活用して社員の意見を積極的に聞き、マネージャが情報に基づいてアクションを起こせるようになると、社員の意欲は高まります。
社員エンゲージメントを明確に定義することにより、社員にとって、自分が勤務している会社を前向きに捉えるという意識改革の機会や、組織の運営方法について自分の考えを発言する機会など、その潜在的な重要性を容易に理解できるようになります。しかし、こうした要素には実際にどのような意味があるのでしょうか。
基本的なレベルでは、職務に必要なツールと成長・能力開発の機会を社員に提供し、適切な評価方法と報酬体系で社員の業績を評価し、社員が上げた成果を会社としての大きな目標に結びつけることが、社員エンゲージメントの向上につながります。
社員が高い社員エンゲージメントを持つ根拠はさまざまです。給与だけに価値を置いている社員もいれば、会社から高く評価されていることに意義を感じる社員もいます。
社員エンゲージメントの向上に取り組むことには、明白な社会的・倫理的理由が存在しますが、この取り組みがビジネスの成果や業績に及ぼす潜在的な影響について認識することも重要です。そのためには、社員エンゲージメントを測定するための手段が必要になります。
どのデータを見ても、社員エンゲージメントが高い企業は、社員エンゲージメントが低い競合他社よりも業績が上回っています。
ハーバード ビジネス レビューの調査によると、会社への帰属意識が高い社員は、帰属意識が低い社員と比べて業績が 56% 高く、離職率が 50% 低く、病気休暇の取得率が 75% 低いという結果になっています。社員が 1 万人規模の企業でこれを計算した場合、年間 5,200 万ドル以上の節約になります。会社への帰属意識は、社員エンゲージメントの重要な要素です。従業員ネット プロモーター スコア (eNPS) で見た場合、帰属意識が高い社員は帰属意識が低い社員と比べて、167% も高いスコアを示しています。
プラットフォームを活用して社員の意見を積極的に聞き、マネージャが情報に基づいてアクションを起こせるようになると、社員の意欲は高まります。
社員エンゲージメントを育むことはメリットをもたらしますが、離脱を生むという大きな欠点もあります。2020 年に Gallup 社が行った調査では、社員エンゲージメントが高い上位 25% の企業と下位 25% の企業を比較した場合、離職率が高い企業では欠勤率が 81%、離職率が 18% それぞれ減少し、離職率が低い企業での離職率の減少は 43% という結果になっています。こうしたネガティブな数字を減少させることにより、ポジティブな数字がさらに強調されることになります。
人財を定着させるために重要なことは、社内の人財を育成し、学習の機会を設け、会社に対する貢献を評価することです。Workday ベンチマーキングによると、自己都合による離職は全世界で年間を通じて絶えず増加しており、2021 年 4 月には 14% だった離職率が 2021 年 10 月には 19% になりました。雇用市場が依然として低迷し、大量離職による影響が今後どうなるかが不透明な現在、社員の声に耳を傾けることが、現在の雇用市場の圧力に対抗するための効果的な方法になります。
社員エンゲージメントは、人事部のリーダーシップ チームだけが担当するものではなくなっています。企業としての最大限の能力を発揮するためには、社員エンゲージメントが重要な理由と、エンゲージメントの向上が会社全体としての人財育成にどのように役立つかについて、あらゆるレベルのリーダーが理解する必要があります。
社員エンゲージメントは複雑な概念であるため、社員エンゲージメントの測定方法にはさまざまな考え方があります。Workday では、包括的な職場調査プラットフォームであるWorkday Peakon Employee Voiceを使用しています。このプラットフォームにより、職場におけるエンプロイー エクスペリエンス (自律、成長、報酬、環境など) に関するさまざまなトピックについて社員の意識を調査し、その重要な成果として社員エンゲージメントを測定することができます。
質問には 0 から 10 までのスコアで回答します。エンゲージメントとその促進要因を 10 点満点 (小数点以下 1 桁) の平均スコアで測定することも、広く普及している eNPS 評価システムを使用することもできます。eNPS 評価システムの場合、「プロモーター、ニュートラル、デトラクター」という観点でデータを表示できるため、顧客満足度の指標としてネット プロモーター スコア (NPS) も使用している場合は特に効果的です。
各種のビジネス指標、重要業績評価指標、目標と同様に、社員エンゲージメントは、信頼性の高い方法で定期的に測定することにより、精度の高い指標になります。社員調査を毎年実施すると、社員の感情について前年からの変化をある程度把握できますが、社員エンゲージメントはもっと短期間で変化する場合があります。そのため、社員エンゲージメントを測定する技術や手段についても、流動性と反応性が高いものを採用する必要があります。
社員エンゲージメント調査を実施する場合は、まず質問を作成することから始まりますが、実際はそれよりもずっと前の段階で始まっています。社員エンゲージメントに関する方法論はどの程度まで定義されているのか、ビジネス上の重要なステークホルダーからの賛同は得られているのか、社員エンゲージメント戦略の背景にはビジネスに関する明確な目標があるのか、などについて事前に確認しておく必要があります。
計画段階で最も重要なことは、社員データの収集方法を根本的に変えるための体制を準備するということです。まず、毎年収集するデータがなぜ関連性に欠けているのか、社員エンゲージメントを 1 年間にわたって測定することによってどのようなメリットがあるのかを考えます。こうした大きな変革を行う場合、ビジネスの全体像を把握するためのツールがなければ、ポジティブではなくネガティブな影響が発生する可能性があります。
また、社員エンゲージメント調査を作成する前に、会社としての戦略的な目標について包括的に理解しなければなりません。これらの目標をエンゲージメント調査とその調査結果に関連付け、調査の作成と配布を行うことにより、全体的な戦略の実施を促進することが重要です。その後、調査結果のフィードバック サイクルを実施し、戦略的な目標の達成に寄与したデータを蓄積していくことにより、さらに効率的な方法で会社としての目標を実現できるようになります。
運用的な観点から見た最後のステップは、リーダーと社員がデータを処理してアクションを実行するための適切なツールとソリューションを導入することです。『2021 エデルマン トラスト バロメーター レポート』では、33,000 人の回答者のうち、「企業にとって最も重要なステークホルダーは顧客である」と回答したのが 34% だったのに対して、「企業にとって最も重要なステークホルダーは社員である」と回答したのは 40% という結果になりました。ビジネスの重要なステークホルダーである各社員が、エンゲージメント調査のプロセスを理解することが非常に重要になります。
社員エンゲージメントの理論をしっかりと理解するのは重要なことですが、そこから得られるインサイトを正確に理解するためには、その背後にある促進要因を把握する必要があります。社員エンゲージメント調査からアクションにつながるインサイトを得るためには、因果関係に関する情報を収集する必要があります。Workday では、これらの情報を社員エンゲージメントの 14 の促進要因と呼んでいます。
長年の学術的な研究結果に基づき、Workday はこの 14 の促進要因を使用して、45 の質問から構成されるコア質問セットを作成しました。どのような方法で社員エンゲージメントを測定する場合であっても、以下に示す促進要因 (または非常に類似した促進要因) が、包括的な社員エンゲージメント調査のベースになります。
これらのすべての要因をまとめて調査する場合もありますが (年に 1 回だけ調査を実施する場合など)、最新の手法では、さらに対象を絞り込んで調査を実施することが推奨されています。定期的に異なる社員に質問のサンプルを自動送信することにより、社員の調査疲れを避けながら、社員の感情とエンゲージメントに関する最新情報を把握することができます。
社員エンゲージメント調査を定期的に実施することは重要ですが、その調査結果についてはどのように活用すればよいでしょうか。全社的な平均値を計算することは、エンゲージメント レベルを評価するための最適な方法のように思えるかもしれませんが、こうしたデータは社員の感情に関する微妙な差異を持つデータであるため、それに合わせたアプローチが必要になります。
Workday では、調査の質問に対して 0 から 10 までのスコアでの解答を求めています。このスコア方式での回答は、文章で回答する場合とは異なり、どのような文化圏でも理解が容易なため、地域や言語に左右されることのない強力なベンチマークになります。
10 点満点方式で平均スコアを算出する場合のもう 1 つの利点は、平均スコアを小数第 1 位まで計算できるということです。つまり、実質的に 100 点満点のスコアとして処理できるということを意味します。そのため、長期間にわたって調査を実施した場合、わずかな感情の変化についてもはるかに簡単に把握することができます。また、レポートを作成する場合も、パーセンテージを使用することでわかりやすいレポートになります。
NPS の手法を採用している企業が顧客データを分析する場合は、0 から 10 までのスコアを使用することにより、調査結果を簡単に eNPS スコアに変換することができます。社員エンゲージメント調査で使用する 0 から 10 までのスコアは、デトラクター (0 ~ 6)、パッシブ (7 ~ 8)、プロモーター (9 ~ 10) という 3 つのグループに分類することができます。
非常に包括的なエンプロイー エクスペリエンス、チーム マネージャに対する強力なサポート体制、高度な社員フィードバック プロセスを導入している企業であれば、プロモーター グループに属する社員が増えていくことが予想されます。いずれにしても、悩みや問題を抱えている社員を把握し、どのようなサポートをすべきかを検討することが重要です。
適切な方法で正確な測定を行うことは重要ですが、こうした測定値は、社員エンゲージメントを高めるための手段にすぎないということを認識する必要があります。測定結果を出発点とすることで、注力すべき分野を特定し、実際にアクションに移すことができるようになります。これにより、人事部門とリーダーたちは、より高い業績を上げるためのツールを手にすることになります。
社員エンゲージメントに関する取り組みのすべての段階に共通するのが、「社員エンゲージメントを高めるにはどうすべきか」という問題です。
Gallup 社が 2022 年に実施した調査によると、米国の社員エンゲージメントが 10 年ぶりに低下し、業務に積極的に取り組む社員の割合が、2020 年の 36% から 2021 年には 34% に低下したことがわかりました。ビジネス環境が大きく変化した 2020 年でさえエンゲージメント レベルが下がらなかったことを考えると、この数字には注意する必要があります。この数字は、会社に対してより多くのことを求めている社員が増えていることを示しています。
社員エンゲージメントの向上は複雑なプロセスですが、指針となる原則はシンプルです。定期的に (またはリアルタイムで) 社員の声に積極的に耳を傾けることにより、アクションにつながる最新のインサイトをさらに入手することができます。こうしたインサイトを活用し、組織全体で効果的な措置を実施し、エンゲージメントを高め、改善を行うためのフィードバック ループを作成することができます。
ここでは、社員エンゲージメント戦略に関する 5 つの重要なステップを紹介します。社員調査に精通している人にとっても、最適な社員調査について悩んでいる人にとっても、有益なステップです。すべてのステップに共通するのは、チームごとに異なるエクスペリエンスを考慮し、マネージャのサポートとリーダーシップを通じてそれらのエクスペリエンスを実現するということです。そうすることで、各チームを成功へと導き、結果的に会社全体の成功へとつながっていきます。
社員フィードバックソリューションを日常業務に取り入れる:成功への鍵は継続的な実施です。月に 1 回または週に 1 回のフィードバック プロセスを日常業務に取り入れることにより、「自分の視点が会社のビジネスにとって重要である」ということを各社員に認識させることができます。具体的には、調査を通常のワークフローに組み込み、その結果に基づいて適切な人事サービスの提供を検討し、そのサービスを既存のソリューションに統合する、という流れになります。
調査の機密性を確保して社員の参加を促す:調査の結果とスコアは、すべて機密情報として取り扱う必要があります。これは、社員が作成するフィードバックについても同様です。Workday Peakon Employee Voice では、0 から 10 までのスコアのほかに、非公開のコメントを入力することもできます。こうして機密性を確保することによって社員の安心感につながり、調査結果の精度が高くなります。
社員を積極的にサポートするためのエクスペリエンスを構築する:問題が発生した場合に対応することも重要ですが、最善のアプローチは問題を未然に防ぐことです。Workday ジャーニーなどのソリューションを導入すると、社員の会社生活や私生活、またはその両方における重要なタイミングで、その社員に合わせてパーソナライズされたガイダンスを提供できるようになります。社員エンゲージメントを高めるには、社員が入社してからプロフェッショナルとして成長するまでの過程をサポートする体制にかかっています。
アクションを起こすための権限をマネージャに与える:トップダウン方式で社員エンゲージメントを管理することはできません。各レベルのリーダーがエンゲージメント データを可視化し、最適な対応方法を検討する必要があります。データを的確に分析し、分析結果に基づいて行動し、その行動を追跡可能にする方法を各リーダーが理解することで、すべてのチームで適切なフィードバック ループを導入できるようになります。
スコア、データ、行動を可視化する:収集したデータは,ポジティブなデータであるかネガティブなデータであるかにかかわらず,共有プラットフォーム上ですべての社員がアクセスできるようにします。エンゲージメントの特定の促進要因に対して低いスコアをつけた社員が多い場合は、注意が必要な要因として認識し、それについて話し合う機会を設け、進捗状況を報告します。継続的なフィードバックによって職場環境を改善するという企業文化を育てることは、企業にとって長期的な利益になります。
成果や効率性を測定するだけでは、社員の日常業務において最も重要な要素である「仕事に対する誠実な意欲」を見逃してしまうことになります。仕事に対する意欲、職場環境、会社の使命に対する共感など、社員と会社との関係を理解する上で、社員エンゲージメントは重要な意味を持ちます。
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